名古屋で隣の土地を個人間売買するときに知っておきたいこと|境界・分筆・登記を司法書士がやさしく解説
ごとう司法書士事務所
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ご近所どうしだからこそ大切にしたい、隣地売買の三つの要点を順にご説明します。
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隣地売買は、まず「境界」から始まる

どこまでが自分の土地か——境界確定と筆界特定制度

隣の土地を買う、あるいは自分の土地の一部を隣に売る。このとき最初の関門になるのが「境界(筆界)」です。登記簿に書かれた面積と、実際に塀やブロックで区切られている範囲は、意外なほど食い違っていることがあります。古くからの住宅地が多い名古屋では、数十年前のままの境界杭がずれていたり、そもそも杭が見当たらなかったりするケースも珍しくありません。

土地の一部だけを売る場合には、後述する「分筆登記」が必要になり、その前提として隣地所有者との間で境界を確認し合う作業が欠かせません。一般には土地家屋調査士が測量を行い、「筆界確認書」を隣地の方と取り交わします。ところが、お隣との関係がこじれていたり、相手方が高齢で判断が難しかったりして、立会いや確認に協力が得られないこともあります。

そうした「境界が決められない」場面で活用できるのが、法務局の筆界特定制度です。これは、土地所有者などの申請にもとづき、筆界調査委員という専門家の意見を踏まえて、筆界特定登記官が現地の筆界の位置を特定してくれる制度で、裁判をせずに境界トラブルの解決を図れる点に特徴があります。「お隣と裁判沙汰にはしたくない」というお気持ちの強い個人間売買では、覚えておきたい選択肢です。

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ご近所だからこそ、価格と手続きは慎重に

一部だけ売るなら分筆登記、安すぎる価格は「みなし贈与」に注意

土地をまるごとではなく「一部分だけ」隣に譲るときは、その部分を切り分けて独立した土地にする分筆登記が必要です。分筆登記の前提として、対象の土地と隣接地との境界が確定し、境界杭の設置も済んでいることが求められます。つまり、先ほどの境界確定なくして一部売買は進まない、という順番になります。

そしてもう一つ、ご近所・親族どうしの売買でとくに見落とされがちなのが価格の問題です。「親しい間柄だから」と相場より大幅に安い金額で譲ると、時価との差額分が贈与とみなされ、買主に贈与税がかかる**みなし贈与(低額譲渡)**の問題が生じることがあります。いくらまでなら安全という明確な基準は法律で定められておらず、税務署が個別の事案ごとに、過去の裁判例などを参考にして判断しているのが実情です。そのため、固定資産税評価額や相続税路線価、不動産会社の査定額などを手元に揃え、根拠のある価格で取引することが大切です。

ここでひとつ、よくあるご相談を挙げます。「実家の裏の細長い土地を、隣に住む親戚に格安で売りたい」というお話。気持ちのうえでは贈与に近くても、形式が売買であれば登記も税金も売買として扱われます。価格の付け方ひとつで、思わぬ税負担が相手方に生じてしまう——そんな行き違いを防ぐためにも、契約前のすり合わせが欠かせません。なお、税務の取り扱いは制度改正によって変わり得るため、具体的な金額判断は税理士や所轄の税務署にご確認いただくのが確実です(本記事は2026年6月時点の情報にもとづいています)。

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名古屋の土地事情と、司法書士に頼れること

書面化と登記で「ご近所の安心」を未来へつなぐ

名古屋市の住宅地の地価は区ごとの差が大きく、中区のように高水準の地域がある一方で、郊外では空き家の増加が課題になっています。愛知県全体の空き家率はおよそ12%とされ、使われないまま隣地として残る土地も増えています。「隣の空き地を買って自宅の敷地を広げたい」「相続した土地を、隣で長く付き合いのある方に引き取ってもらいたい」——こうした個人間売買のニーズは、人口動態や土地の二極化を背景に、今後さらに増えていくと考えられます。

ご近所どうしの取引は、信頼関係があるぶん「口約束」で済ませてしまいがちです。けれども、土地は何十年と残るもの。当事者が代替わりした後に「あの通路はどちらのものか」と争いになる例は後を絶ちません。だからこそ、売買契約の内容をきちんと書面に残し、所有権移転登記まで確実に終えておくことが、結果的にご近所付き合いを守ることにつながります。

不動産の名義変更(所有権移転登記)は、登記を専門とする司法書士が担う手続きです。司法書士は、登記申請だけでなく売買契約書の作成や、決済の場での代金支払いと登記書類の受け渡しを「同時」に行う段取りまでお手伝いできます。隣地売買では、境界確定は土地家屋調査士、価格や税の判断は税理士と、複数の専門家が関わる場面も出てきますが、その全体の流れを見渡しながら、安心して取引を終えられるよう橋渡しするのが私たちの役割です。お隣との大切な取引だからこそ、わからないことは一つずつ確かめながら進めていきましょう。

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