最後の一冊は、お金と、引き渡し後の取り決めについての説明書です。家電を買えば本体価格のほかに送料や保証の話があるように、不動産にも代金以外の費用と、ずっと続く約束事があります。
まず、売買にともなう税金です。買主側には、名義を移すときの登録免許税や、後日かかる不動産取得税があります。土地の売買による所有権移転登記の登録免許税は、本則2.0%のところ1.5%に軽減する特例が2029年3月31日まで延長されています(令和8年度税制改正による)。売主側には、利益が出れば譲渡所得税がかかることがあります。ただし税金は、物件の用途や所有期間、各種の特例の適用によって金額が大きく変わり、また制度も毎年見直されます。具体的な税額は、必ず税務署や税理士など専門家にご確認ください(この記事の内容は2026年6月時点の情報です)。
次に、引き渡し後も続く約束事です。固定資産税の精算(日割り)、ライフラインの名義変更、そして名古屋のように地価が上がり続けているエリアでは、価格をいくらに設定するかも重要です。名古屋市の地価は住宅地・商業地ともに近年プラスが続き、特に中区など都心部は実勢価格でも県内有数の水準です。身内同士だからと相場とかけ離れた安い価格にすると、その差額が「贈与」とみなされ、思わぬ贈与税につながることもあります。価格の根拠を残しておくことも、立派な“取扱説明”の一部です。
そして、これらすべてを一冊にまとめあげる中心となるのが、売買契約書です。司法書士・宅地建物取引士として、私たちは権利の移転を安全に完了させると同時に、お金と約束のページに抜けがないかを確認します。お客様お一人おひとりの事情に合わせて、必要なところだけを、丁寧にお手伝いする――それが私たちの考える「不動産の取扱説明書づくり」です。
不動産は、買って終わりではなく、そこから暮らしが始まります。だからこそ、次にその家を受け継ぐ方のためにも、しっかりした取扱説明書を一冊そろえてからお引き渡しください。ご不安な点があれば、名古屋市中区の私たちにいつでもお声がけください。