やってはいけない個人間の不動産売買のことを解説します。
安心安全に不動産取引をするようにしましょう。
ごとう司法書士事務所
Check!
興味がある方はお気軽にご相談を
ポイントは3つ!!
Point
1

「口約束」や簡易な契約書で売買契約をしてしまう 〜“知っている相手だから大丈夫”では済まされない、不動産契約の落とし穴〜

個人間の不動産売買で最も多い失敗の一つが、「契約書の重要性を軽視すること」です。
特に知人や親族との取引では、「わざわざ契約書なんて必要ないよね」「信頼しているから、口約束で十分」「簡単なメモ書き程度で済ませよう」という判断がなされがちです。

ですが、不動産の売買というのは、**一度成立すれば簡単に取り消しや修正ができない、法律上の“重い契約”**です。しかも高額な資産が関わるため、一つの見落としや誤解が、金銭的・法的に重大なトラブルへと発展するおそれがあります。

実際の相談現場でも、「兄弟間で土地の売買を口頭で合意したが、後になって『そんな約束はしていない』と揉めた」「契約書は作ったが内容があいまいで、引渡し後に設備の故障や境界の問題が発覚し、誰が責任を負うかでもめた」といった事例が少なくありません。

◆ 不動産契約は“形式”だけでは不十分。中身が重要

民法上、契約は当事者の合意があれば成立します。つまり、売主と買主が「売る」「買う」と口頭で合意しただけでも、一応は“売買契約”が成立することになります。
しかし、不動産の場合、その契約を登記に反映させたり、税務申告をしたり、実際に引渡しを進めたりするためには、法的に有効かつ内容が明確な契約書が不可欠です。

また、後々に「本当に合意していたのか」「どんな条件だったのか」という争いが起きたとき、口約束だけでは証明手段がなく、裁判になっても負けてしまう可能性すらあります。

特に気をつけたいのは、次のような“抜け”や“曖昧な表現”です:

支払日や引渡日の記載がなく、どちらが先かでトラブルになる

売主が負う「契約不適合責任」の範囲が書かれていない

固定資産税や登記費用など、費用の負担者があいまい

実測と登記面積が違っていた場合の対応が不明

手付金を払ったが、キャンセル時の扱いについて定めがない

境界確定の有無、越境の状況が記載されていない

建物の現況(雨漏り・シロアリ・設備不良など)に関する説明がない

このような不備は、取引時点では何事もないように見えても、将来になって問題が発覚したときに深刻な紛争に発展する可能性があります。

◆ 「トラブル防止」のためだけでなく、「法律的に有効な取引」としての体裁を整える

契約書は、単なる形式的な“紙の書類”ではありません。不動産の売買契約書は、次のような役割を担っています:

当事者の合意内容を文書で明確に記録し、証拠とする

将来のトラブル防止のために、必要な約束事を網羅的に整理する

法務局での登記申請に必要な「登記原因証明情報」となる

税務署への申告時に必要となる証拠書類になる

契約不適合責任や損害賠償請求の根拠となる

これらの機能を果たすには、「何となく契約した」「ネットで拾ったテンプレートを埋めただけ」というレベルでは到底不十分です。

売買契約書には、少なくとも以下のような内容が盛り込まれている必要があります:

不動産の特定(所在・地番・面積・構造など)

売買代金の額と支払い方法・期限

引渡し日と所有権移転の時期

固定資産税等の清算方法

登記費用・その他諸経費の負担者

契約不適合責任の範囲と期間

瑕疵があった場合の対応

手付金の金額と解約の可否

解除条件や違約金の規定

境界に関する確認事項

建物の付属設備・現況引渡しの扱い

さらに、契約書には署名・押印を行い、双方が1通ずつ保管するのが基本です。
司法書士の立場から見ても、こうした内容が整っていない契約書では、登記の際にトラブルになることが多く、申請そのものが受理されないケースもあります。

◆ 契約書作成時には、第三者の専門家のチェックが安心

個人間の取引では、「自分たちで何とかなる」と思いがちですが、実際には契約内容の漏れや表現の曖昧さが原因で、後から専門家が介入しても解決が難しい問題に発展しているケースも珍しくありません。

契約書を作成する段階で、司法書士や宅地建物取引士などの専門家が関与することで、法律的にも実務的にも抜けのない契約書が整えられ、万が一のトラブルにも備えることができます。

たとえば、親族間での売買の場合でも、価格の妥当性や贈与とみなされるリスク、税務上の問題などが生じる可能性があり、それらも含めて契約内容を調整することが求められます。

まとめると、個人間の不動産売買では、口約束や簡易な契約書では済ませてはならないということです。
その場はうまくまとまったように見えても、契約というのは“将来の問題発生時”にこそ意味を持つものです。

「信頼していたのに、言った・言わないでもめるなんて…」という事態にならないよう、契約書の作成は、信頼の証であると同時に、リスク管理の最重要項目だとご理解いただければと思います。

Point
2

不動産の権利関係や法令制限を確認せずに契約する 〜“現地を見て納得”では不十分。書類で見るもう一つの現実〜

個人間での不動産売買において、もう一つ大きなトラブルの元となるのが、物件の権利関係や法令による制限をしっかり確認しないまま契約してしまうことです。

不動産の売買は、外観や場所の印象だけではその本質を判断することはできません。
「現地を見て問題なさそうだった」「近所の人に聞いたら問題ないと言っていた」といった情報は、あくまで参考程度にしかならず、契約書に記載されていない権利関係や法令の制限が、後になって重大な障害となることが非常に多くあります。

これは特に、不動産業者や司法書士など専門家が介在しない個人間取引において、非常に起きやすいリスクです。

登記簿を見ていない・見ても内容を理解していない

不動産には必ず「登記簿(登記事項証明書)」が存在します。これは、土地や建物の所在地・構造・面積、所有者、抵当権や差押えなどの権利関係が記載された、公的な情報です。

しかし実際には、次のようなミスが頻発しています:

登記簿を全く確認せずに契約を締結した

登記上の所有者が異なっていた(亡くなった人のままなど)

抵当権や根抵当権が残ったままだった

相続登記が未了で、売主に売却権限がなかった

共有名義だったが、他の共有者の同意を取っていなかった

特に、担保権(抵当権など)が残っている状態で売買を進めてしまうと、買主が登記できないばかりか、最悪の場合、物件が競売にかけられて失う危険性すらあります。

司法書士が関与すれば、これらの登記内容を事前に精査し、売主が適法に売却できる立場かどうか、他に登記上の障害がないかを確認できます。個人間でこれを判断するのは、非常に難しいのが実情です。

◆ 建築や再建築に関わる法令上の制限を見落とす

個人間売買では、「現状使えているから大丈夫」と思い込みがちですが、実は以下のような法令制限が潜んでいることがあります:

1. 接道義務を満たしていない土地

都市計画区域内では、建築基準法上「幅員4メートル以上の道路に2メートル以上接していなければ建物を建てられない(再建築不可)」というルールがあります。
一見すると建物が建っているため問題ないように見えても、**昔の基準で建てられており、建て替えができない“再建築不可物件”**である場合もあります。

2. 用途地域による建築制限

市街化区域内では、「用途地域」によって、建てられる建物の種類・規模・高さなどが決まっています。
たとえば、住宅専用地域では店舗や事務所を併設できないことがありますし、商業地域では騒音・日影の制限が緩く、住環境に適さない場合もあります。

3. 都市計画道路予定地に指定されている

都市計画道路予定地に該当する土地では、将来行政による立ち退きや買収が行われることがあります。建て替えや増築に制限が出ることもあり、長期的に活用するにはリスクを伴います。

4. 農地法・文化財保護法などの制限

地目が「田」「畑」などの農地になっている場合は、農地転用の許可が必要です。
また、文化財保護地区内の建物は、修繕や取り壊しに制限があることもあります。

これらの情報は、現地ではわかりません。法務局や役所、都市計画図、用途地域図、建築図面、現況測量図などの資料を取り寄せて確認する必要があります。

◆ 現地の「現況」だけで判断すると見落とすリスクが多い

たとえば、以下のようなことも個人間売買では見落とされがちです:

建物が越境している(隣地へ屋根や壁がはみ出ている)

隣地の排水や通路に依存している(暗黙の使用権)

境界標がなく、土地の面積が正確にわからない

登記建物が存在し、権利関係が不明確

建築確認が取れていない違法建築だった

こうした点を確認せずに契約してしまうと、買主が「使用できない」「建て替えできない」「法的に問題がある」と後から気づいても、売主が責任を負わない契約内容だった場合には、どうにもならないことがあります。

◆ 専門家による調査が“買う側・売る側”双方を守る

司法書士や宅地建物取引士は、単に「登記手続きを代行する」だけではありません。
売買の前段階で、不動産の法的状況を調査・説明し、契約書に反映するという役割も果たします。

また、以下のようなサポートが可能です:

登記簿の確認と所有権・担保権の精査

法令制限・用途地域のチェック

接道状況・建ぺい率・容積率などの評価

境界未確定地への対応策

相続登記や未登記建物の整理

市役所や法務局との情報照会・交渉

こうした確認作業をせずに契約を交わしてしまうと、契約自体は成立しても、引き渡し後に「こんなはずじゃなかった」という深刻な問題に直面することが多くあります。しかも、個人間の契約では「重要事項説明」がないため、買主は自分で調べるしかなく、それが非常に困難なのです。

まとめ

不動産は、目に見える部分以上に、**目に見えない「法的な状態」「制限」「義務」**を抱えた資産です。
個人間での不動産売買において、これらの確認を怠ることは、まさに「地雷を踏むようなもの」と言っても過言ではありません。

どんなに信頼関係がある相手でも、書類や法的確認を省略してしまえば、トラブルが発生したときに解決手段を失ってしまいます。
だからこそ、不動産取引を“目で見る”だけでなく、“書類で見る”“法律で確認する”視点が欠かせないのです。

安全な取引のためには、契約前に不動産の「内側」をプロの目で調べることが何より重要です。
その調査と助言こそが、司法書士や宅地建物取引士が果たすべき本質的な役割であると、私たちは考えています。

Point
3

登記手続きを軽視・省略してしまう 〜「もう買ったつもり」では所有者になれません。不動産登記の本当の意味〜

個人間で不動産を売買した際に、特に危険性が高いのが、「登記はそのうちやればいい」「登記って任意でしょ?」「費用を抑えたいからとりあえず放置」という軽い判断です。
実際には、登記を怠ったために不動産の権利を失ったり、思いがけない法的トラブルに巻き込まれたりした事例が少なくありません。

不動産を売買したとき、最終的に“自分のものになった”と言えるのはいつか?
それは、法務局での所有権移転登記が完了し、正式に自分の名前が登記簿に記載されたときです。
契約書を交わしただけでは、法的には「所有者」としての権利を確保できていないという点に、多くの方が無自覚です。

登記をしないと、他人に売られる・差し押さえられる可能性も

民法では、「不動産の譲渡は、登記をしなければ第三者に対抗できない」と定められています(民法第177条)。
つまり、契約書があり、代金も支払ったとしても、登記をしていない状態では、法的にはその不動産を自分のものと主張できないということになります。

たとえば、こんな事例が実際にあります:

買主が契約と支払いを済ませたが、登記を放置していた

その間に、売主が別の第三者に同じ物件を売ってしまった

第三者が先に登記を済ませたため、正当な買主であっても所有権を認められなかった

あるいは、

売主に税金の滞納があり、不動産が差し押さえられてしまった

登記をしていなかったため、買主の権利が守られなかった

こうしたケースでは、「確かにお金は払った」「契約書もある」と主張しても、登記をしていないという一点で、不動産を失ってしまうリスクがあるのです。

◆ 「登記できない」ケースもあることに注意

さらに注意すべきは、「登記するつもりだったけど、できなかった」という事態も存在することです。
不動産の登記申請は単純な事務手続きではなく、一定の要件と正確な書類が揃っていなければ法務局に受理されません。

以下のような不備があると、登記が受け付けられないか、差し戻されてしまうことになります:

登記簿上の所有者と売主が一致していない(相続登記が未了など)

売主の登記識別情報(旧:権利証)が紛失している

売主の印鑑証明書が取得できない

共有名義の一部だけを売買してしまっている(全員の合意が必要)

契約書に不備があり、登記原因証明情報として使えない

売主の本人確認が取れない(認知症・失踪・所在不明など)

また、登記費用を負担したくないからと、「しばらく登記はしない」「何かあったら登記する」という話になることもありますが、これは極めて危険な対応です。

特に個人間では、登記に必要な書類を揃えるプロセスを甘く見がちで、後になって「書類が揃わない」「売主が協力してくれない」「高齢の親族が意思表示できない」などの理由で、永久に登記ができない状態に陥ることもあります。

◆ 不動産登記とは「公的に所有権を主張する唯一の方法」

不動産の登記とは、単に「名前を書き換える」だけの作業ではありません。
それは、不動産という重要な資産について、「この人が正当な所有者である」ということを、法務局という公的機関が認め、他人に対しても示す制度なのです。

不動産は一度取得すれば数百万円〜数千万円、時には億単位の価値を持つ資産です。
これほどの高額資産を所有するのに、登記という法的手続きを怠るのは、火災保険なしで家を建てるようなものです。

登記を軽視するということは、自分の大切な資産を「第三者が奪っても文句が言えない状態」にしているのと同じこと。
とくに名義が旧所有者のまま残っている状態では、固定資産税の請求が売主に行ってしまうなど、行政手続き上の混乱も招きます。

◆ 司法書士が関与すれば、安全で確実な登記が可能

司法書士は、「登記手続きの専門家」として、以下のようなサポートを提供しています:

登記に必要な書類の確認と収集サポート

登記原因証明情報(契約書に基づく書類)の作成

売主・買主双方の本人確認と意思確認

登記識別情報の確認と紛失時の代替手続き(本人確認情報作成など)

登記申請書の作成と法務局への提出代行

登記完了後の登記事項証明書の取得・確認

司法書士が関与することで、登記ができないリスクを未然に防ぎ、万が一の際の責任の所在も明確になります。

また、司法書士が関わっていない個人間取引では、法務局側も登記申請に慎重になり、申請が却下されやすくなる傾向にあります。
これは、書類の不備や売買の真正性に疑問がある場合、法務局が申請を受理するリスクを避けるためです。

まとめ

不動産を「買った」だけでは、法律上の所有者にはなれません。
登記をしてはじめて、初めてあなたの「所有物」として認められるのです。

個人間売買では、信頼関係があることから、「登記は後回しでもいいよね」と話がまとまってしまうことがありますが、その判断が後に大きな後悔と損失を招くことも多くあります。

登記は単なる“事務作業”ではありません。
不動産という大切な資産を守り、未来に引き継ぐための“法的な防衛手段”なのです。

安全な取引のためにこそ、司法書士という専門家の知識と手続きを活用してください。
不動産を“本当に自分のものにする”ために、登記を正しく行うことが、最後であり、もっとも重要な一歩なのです。

お気軽にお電話でご連絡ください
052-228-0939 052-228-0939
9:00~19:00
Access

気兼ねなく足をお運びいただける相談スペースを名古屋にご用意しています

概要

事務所名 ごとう司法書士事務所
住所 愛知県名古屋市中区丸の内3-15-3
TCF丸の内ビル6F
電話番号 0120-290-939
営業時間 9:00~19:00
定休日 土曜日 日曜日 祝日
最寄り 久屋大通駅より徒歩6分
監修 不動産売買仲介についてはごとう不動産事務所監修

アクセス

相談者様にとって「いつでも気軽にサポートが受けられる身近な司法書士」となれるよう、地域に密着した細やかな対応を心掛けています。相続や登記、そしてその他の申請手続きでお困りなら、一度相談してみませんか。
Contact

お問い合わせ

RELATED

関連記事