近年、名古屋市でも「親族間で不動産を売買したい」というご相談が増えています。
特に多いのは、次のようなケースです。
・高齢の親が、自宅を子どもへ早めに引き継ぎたい ・相続でもめる前に、財産を整理しておきたい ・将来の相続税や贈与税の負担を軽くしたい ・空き家になる前に家族内で承継したい ・親の施設入所や介護費用の確保をしたい ・兄弟間で公平に財産調整をしたい
以前は「親族間で不動産を売買するなんて特殊な話」と考えられていましたが、最近は事情が変わっています。
名古屋市内でも、昭和後期から平成初期に購入した住宅を持つ高齢世帯が増え、相続前に不動産をどう整理するかが現実的な問題になっています。さらに、人口減少や空き家増加の影響により、「とりあえず相続して持ち続ける」という考え方だけでは対応できない時代になりました。
特に地方や郊外では、将来的に不動産価格を維持できない可能性も指摘されています。一方で、名古屋市中心部や駅近エリアでは、実需不動産として一定の需要が維持される傾向もあり、不動産ごとに戦略を変える必要があります。
そこで注目されているのが、「親族間売買」を活用した生前対策です。
もっとも、親族間売買は、単なる家族内の名義変更ではありません。
売買価格の決め方を間違えると贈与税の問題が生じることがありますし、住宅ローン審査、税務署からの指摘、他の相続人とのトラブルなど、一般の不動産売買とは異なる難しさがあります。
また、司法書士・税理士・不動産業者の知識が分断されていると、登記だけ、税金だけ、契約だけという部分対応になり、全体最適を見失うケースも少なくありません。
この記事では、司法書士兼宅地建物取引士の立場から、親族間の不動産売買について、節税・財産承継・相続対策という観点を踏まえながら、実際の活用方法や注意点をわかりやすく解説します。