書式やAIを利用した不動産売買は危険?名古屋で増える個人間売買トラブルと司法書士による安全対策
ごとう司法書士事務所
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個別事案によって結論が異なる場合もあるため、実際の取引では、最新の法令や実務に基づく個別確認が必要です。
Point
1

AIやネットの契約書だけでは対応できない不動産売買の現実

「契約書があるから安心」は危険な思い込み

最近では、生成AIに「不動産売買契約書を作成してください」と入力すると、それらしい契約書が数秒で表示されます。

また、インターネット上には無料テンプレートも多数存在しています。

しかし、ここに大きな落とし穴があります。

AIや書式は、一般論としての文章は作れても、その不動産特有の問題点までは判断できないことが多いからです。

例えば、次のような問題は、単なる契約書のひな形では対応できません。

相続登記が未了だった

亡くなった親名義のままだった

私道持分が存在していた

境界標が見当たらない

増築部分が未登記だった

接道義務を満たしていなかった

市街化調整区域だった

古い抵当権が残っていた

離婚時の財産分与が未整理だった

共有名義人の一部が認知症だった

不動産売買では、「契約書の文章」よりも、その前提となる権利関係の確認の方が重要になることが珍しくありません。

実際に名古屋市内でも、相続した実家を兄弟間で売却しようとしたところ、昭和時代の抵当権が残っており、金融機関自体が統廃合で存在していなかったというケースがあります。

AIは、それらしい注意事項を書くことはできます。

しかし、「この抵当権をどう抹消するか」「誰が当事者になるのか」「法務局でどのような登記原因証明情報が必要か」までは、個別事情を踏まえて判断しなければなりません。

また、AIは入力された情報を前提に文章を生成します。

つまり、入力する側が問題点に気付いていなければ、AIも問題を認識できないのです。

ここが、不動産売買におけるAI利用の最も怖い部分といえます。

名古屋で増えている「親族間売買」の注意点

最近の名古屋では、次のような相談が増えています。

親の家を子どもが買い取る

相続対策として家族間売買を行う

離婚後に元配偶者から持分を買い取る

兄弟間で実家を整理する

空き家を親族へ安く譲渡する

このようなケースでは、「身内だから大丈夫」という心理が働きやすく、逆に危険です。

実際には、後から税務署に贈与認定される問題や、価格設定を巡るトラブル、相続人間の不公平感などが発生することがあります。

特に不動産価格については、現在の日本では二極化が進んでいます。

名古屋中心部の一部エリアや投資用マンションは高値傾向が続く一方、郊外や空き家化しやすい地域では、今後人口減少の影響で価格維持が難しくなる可能性もあります。

そのため、「昔の感覚の価格」で売買すると、後から他の相続人との間で争いになることもあります。

不動産売買は、契約書を作るだけではなく、「なぜその条件なのか」を合理的に説明できる状態にしておくことが非常に重要です。

Point
2

AI時代だからこそ増える「見えないリスク」

便利な時代ほど、専門家の確認が重要になる理由

AIは非常に便利です。

文章作成能力も高く、一般的な知識も豊富です。

しかし、不動産取引は「個別性」が極めて強い分野です。

つまり、同じように見える土地や建物でも、実際には全く事情が異なります。

例えば、名古屋市内でも、旧市街地では古い土地形状や未整理の権利関係が残っていることがあります。

また、昭和期に建築された建物では、現在の建築基準法と整合しないケースもあります。

さらに、次のような問題は、AIだけでは判断が難しいことがあります。

越境の黙示承諾

境界未確定の慣習

相続人間の潜在的対立

実印管理の問題

高齢者の意思能力

売主本人確認の不備

固定資産税評価額と実勢価格の乖離

心理的瑕疵への配慮

将来の再建築リスク

実際にあったような相談事例

名古屋市守山区に実家を持つAさん(70代女性)は、亡くなった夫名義の不動産を、長男へ個人間売買する予定でした。

インターネットの契約書を利用し、AIで条文を修正していましたが、相談を受けて確認したところ、そもそも相続登記が未了でした。

さらに調査すると、建物の一部が未登記増築となっており、住宅ローン利用にも支障が出る状態でした。

もしそのまま進めていた場合、売買代金を支払った後に登記ができない可能性もありました。

不動産売買では、「契約をした」よりも、「安全に所有権移転登記まで完了できるか」が重要です。

ここは、一般的なAIサービスやネット書式では対応が難しい部分です。

AI時代は「確認不足」が最大のリスクになる

現在は、誰でも簡単に情報へアクセスできる時代です。

その反面、「自分で調べたから大丈夫」と考えてしまいやすい時代でもあります。

しかし、不動産取引では、わずかな確認漏れが大きな損失につながります。

例えば、次のようなケースがあります。

抵当権抹消を忘れていた

共有者全員の同意が取れていなかった

農地転用許可が必要だった

建築確認未取得建物だった

前面道路が私道だった

売主の本人確認書類が不足していた

固定資産税の精算日を定めていなかった

これらは、契約書の文章だけでは防げません。

むしろ、取引全体を俯瞰して確認できる専門家が関与することで、初めてリスクを抑えられることが多いのです。

特に個人間売買では、不動産会社が仲介に入らないため、確認作業が抜けやすくなります。

そのため、司法書士兼宅地建物取引士のように、登記だけでなく売買実務も理解している専門家が関与する意味は非常に大きいといえます。

Point
3

個人間売買を安全に進めるために必要な視点

「安く済ませる」より「将来の紛争を防ぐ」ことが重要

個人間売買では、「費用を抑えたい」という気持ちが強くなりやすい傾向があります。

もちろん、無駄なコストを抑えることは大切です。

しかし、不動産は高額資産です。

数百万円から数千万円の財産が動く取引であり、後から問題が発生すると、その損失は契約書作成費用を大きく超えることがあります。

特に最近は、人口減少や空き家増加の影響もあり、「売れるうちに整理したい」という相談が名古屋でも増えています。

団塊世代の高齢化に伴い、今後は相続不動産の流通がさらに増える可能性があります。

その結果、地方部や郊外では不動産価値の維持が難しくなる地域も出てくると予想されています。

だからこそ、不動産を売却するときは、「急いで処分する」のではなく、「安全に権利移転できる状態か」を確認することが重要です。

個人間売買で最低限確認したい事項

安全な個人間売買を行うためには、少なくとも次のような点を確認したいところです。

登記事項証明書

固定資産評価証明書

公図

地積測量図

建物図面

本人確認資料

印鑑証明書

権利証または登記識別情報

相続関係資料

抵当権の有無

境界状況

接道状況

都市計画制限

税務上の問題

契約不適合責任の範囲

さらに、売買代金の支払方法、登記申請日、鍵の引渡し、固定資産税精算なども整理する必要があります。

AIは便利な補助ツールではありますが、「何を確認すべきか」を最終判断するのは、やはり専門家の役割です。

司法書士兼宅地建物取引士へ相談するメリット

個人間売買では、登記だけを依頼したいという方もいます。

しかし実際には、登記以前の段階で問題が潜んでいることが少なくありません。

司法書士兼宅地建物取引士であれば、次のような視点から総合的に確認できます。

登記実務

本人確認

相続問題

契約内容

不動産調査

売買リスク

税務上の注意点

将来紛争の予防

特に名古屋では、古い住宅地や相続不動産も多く、単純なテンプレート処理では危険なケースもあります。

また、高齢者同士の取引では、後から「説明を受けていない」「理解していなかった」と争いになることもあります。

そのため、形式的に書類を作るだけではなく、当事者が本当に内容を理解しているかを確認しながら進めることが重要です。

AI時代だからこそ、最終的には「誰が責任を持って確認したのか」が大切になります。

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