司法書士ならやらない相続した空き家の売買
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ごとう司法書士事務所
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司法書士がポイントを3つご紹介します
Point
1

相続登記をせずに空き家を売るリスク

空き家を相続した後、「この家を売って手放したい」と考えるのは自然なことです。使う予定がなければ、固定資産税や管理の手間ばかりかかり、むしろ「負動産(ふどうさん)」と感じてしまう方もいらっしゃるでしょう。

しかし、ここで絶対にやってはいけないことがあります。それが、**「相続登記をしないまま売却すること」**です。この行為には、想像以上に大きな法的リスクとトラブルの火種が潜んでいます。

たとえば、相続した空き家の名義がまだ亡くなった親のままになっている場合、あなたがその家を売るためには、まず登記上の名義を**あなたの名前に変更する手続き(相続登記)**が必要です。なぜなら、登記簿に名前が載っていない人は、法律上その不動産を自由に処分する権利がないとされるからです。つまり、あなたが実際に相続していても、登記をしなければ「所有者」としては見なされず、売る権限も持っていないということになります。

それでも、「相手(買主)が納得していれば大丈夫では?」「あとから名義変更すれば問題ないのでは?」と思われる方もいるかもしれません。しかし、それは非常に危険な考えです。

まず、売買契約自体が法律上無効になる可能性があります。つまり、お金をもらったとしても、あとで「契約は成立していない」と言われ、返金や損害賠償を求められることもあるのです。さらに、買主がその不動産を登記しようとしたとき、「所有者(売主)が登記簿上の名義人ではない」ことが発覚し、登記できず、大きなトラブルになることがあります。

また、相続登記には他の相続人の同意や協力が必要になることも多く、遺産分割協議が整っていない状態で進めてしまうと、後々親族間で深刻な争いになることもあります。これも、司法書士の立場から見れば非常にリスクが高いポイントです。

さらに見落としがちなのが、不動産業者の対応です。一部の業者の中には、相続登記が未了の状態でも「大丈夫ですよ」と軽く扱って取引を進めようとするところもあります。しかし、そのような対応は法律を正しく理解していないか、あるいはリスクを説明せずに自己責任で押しつけている可能性もあります。結果的に、不利益を被るのは売主であるあなた自身です。

司法書士であれば、このような無理な売却には決して関与しません。なぜなら、相続登記をせずに不動産を売却する行為は、法的に無効となる危険性があるだけでなく、第三者である買主をも巻き込む重大なトラブルの原因となるからです。売却を考えるなら、まずはきちんと名義変更を済ませてから、というのが基本であり、法律的に唯一正しい順序です。

また、2024年4月からは、相続登記が義務化され、相続を知ってから3年以内に手続きしなければ、10万円以下の過料が科される可能性があると法律で定められました。この点からも、「登記はあとで」と安易に考えて放置することは、ますます通用しなくなっています。

つまり、「相続登記をせずに売却する」という行為は、売主・買主・不動産業者などすべての関係者にとって不利益やリスクを生む行為であり、司法書士としては絶対におすすめできないどころか、明確に「やってはいけないこと」と断言できます。

Point
2

相続登記の義務化と罰則

これまで相続登記は、義務ではなく「やってもやらなくてもよい手続き」として扱われてきました。そのため、「とくに困っていないから」「費用がかかりそうで後回しにしている」「兄弟と話し合いがまとまっていないから」など、さまざまな理由で登記をしないまま放置されてきたケースが非常に多くありました。

しかし、令和6年(2024年)4月から、この状況が大きく変わりました。相続によって不動産を取得した人に対し、**相続登記を行うことが法律上の「義務」**として明記されたのです。これは、空き家問題や所有者不明土地の急増に歯止めをかけるために国が導入した大きな制度改革であり、不動産に関するルールとしては近年でも特に重要な改正です。

相続登記は「3年以内」にしなければならない

新しい法律によると、不動産を相続した人は、相続が発生したことを知った日から3年以内に相続登記を申請しなければなりません。たとえば、親が亡くなったことをきっかけに実家を相続した場合、「親が亡くなった」と知ったその日から数えて3年以内に登記を終える必要がある、ということです。

登記を忘れていた」「誰に相談すればよいかわからなかった」などの理由があっても、期限を過ぎれば、**10万円以下の過料(罰金のようなもの)**を科される可能性があります。しかも、この「過料」は、行政処分として裁判所を通じて課されるものであり、支払いを拒否することはできません。

また、相続人が複数いる場合は、遺産分割協議が整っていない状態でも、「自分が相続人の一人であること」を申告する相続人申告登記という方法で義務を果たすことが可能です。とにかく、「何もしていないまま放置する」ことが、もっとも危険だということです。

義務化によって「登記しないと損をする」時代に

相続登記が義務化されたということは、「やらないといけない手続き」になっただけではなく、「やらないことで不利益を受ける」リスクが現実的に高まったことを意味します。罰則の対象となるだけでなく、相続登記をしないままにしておくことで、その不動産の売却、活用、贈与、担保設定など、あらゆる法律行為ができなくなります。

また、いざ登記しようと思っても、そのときには他の相続人が亡くなっていたり、連絡が取れなくなっていたりすることもあります。時間が経てば経つほど手続きが複雑になり、登記費用や書類の収集も煩雑になり、精神的・経済的な負担が増えてしまうのです。

特に注意が必要なのは、「親の名義のまま放置してきた不動産を売りたい」と思ったときです。売買を成立させるためには、まず現在の所有者名義に変えておく必要があります。しかし、相続登記がされていないと、不動産業者も売却の仲介に応じられませんし、買主にとってもリスクが高いため購入を避けられてしまいます。

結果として、「買ってくれる人はいるのに売れない」「固定資産税だけを払い続けている」といった事態に陥り、せっかくの資産を活かすことができなくなってしまいます。

空き家・相続不動産の管理は社会的責任でもある

国が相続登記を義務化した背景には、「相続された不動産の放置」が社会的に大きな問題になっているという現実があります。たとえば、地方の山間部や郊外の住宅地では、登記簿上の所有者が何十年も前に亡くなっていて、誰が現在の所有者かわからないまま放置された土地や家が数多く存在します。

その結果、道路や施設の整備、災害復旧工事、地域の再開発などが進まない原因となり、地域全体の安全や発展に支障をきたしているのです。このような問題を少しでも解決するためにも、相続登記をきちんと行うことは、個人の問題ではなく、地域社会に対する責任でもあると言えるでしょう。

司法書士としては、こうした背景を踏まえ、ただ法律の手続きをするだけでなく、依頼者の皆さまが安心して財産を受け継ぎ、また次の世代へ引き継ぐためのお手伝いをすることが使命だと考えています。

Point
3

売却の前にするべき「正しい順序」

相続した空き家を「売ってしまいたい」と思ったとき、すぐに不動産会社に連絡を取ったり、ネットの一括査定サービスを使ってみたりする方も多いのではないでしょうか。
しかし、空き家の売却には必ず踏むべき順番があります。この順番を守らずに進めてしまうと、あとで思わぬトラブルや損失につながることもあるため、注意が必要です。

司法書士として、数多くの相続・不動産売却の場面に関わってきた立場から言えることはただ一つ。
空き家の売却を考えたら、まず何よりも**「法的な整理」を先に行うことが大前提です。具体的には、「登記名義を自分に変えておくこと」、つまり相続登記を済ませること**が、最初にやるべき最も重要なステップです。

【ステップ1】相続関係の確認と整理から始める

不動産の名義を変更するためには、まず誰がその不動産を相続する権利を持っているのかを明確にする必要があります。相続人が複数いる場合は、「遺産分割協議」と呼ばれる話し合いによって、誰がその不動産を取得するかを決めることになります。

この協議が整わないままでは、相続登記をすることができません。また、相続人の一人が認知症であったり、所在が不明だったりする場合、家庭裁判所を通じた法的な手続き(成年後見制度や不在者財産管理人の選任など)が必要になることもあります。こうした背景事情によって、登記や売却のスケジュールは大きく左右されます。

だからこそ、売却を前提に動き出す前に、まずはご自身の相続状況を丁寧に整理することが不可欠なのです。司法書士は、このような相続人の調査や協議書の作成、必要書類の取得などを含めて、最初の段階からお手伝いできます。

【ステップ2】相続登記を完了させる

相続関係が整理できたら、次に行うのが相続登記の申請です。これによって、登記簿上の名義が亡くなった方から相続人(=売却予定者)へ正式に変更されます。これは、売主が「自分の所有物として、法的にその不動産を処分する権限を持っている」ことを証明する大切な作業です。

名義変更がなされていない不動産は、たとえ親族の間で「この家は長男が相続することになった」と話がついていても、第三者に対してその事実を証明することができません。不動産売買は、金額も大きく、登記による所有権の移転が契約成立の重要な要素になります。そのため、相続登記が終わっていなければ、買主は安心して購入することができませんし、不動産会社も媒介契約を結ぶことを躊躇します。

また、売却後のトラブルを避けるという意味でも、相続登記は極めて重要です。たとえば、相続登記をせずに売却を進めた結果、「実は他の相続人が異議を唱えてきた」「相続内容に誤りがあった」といった事態が起こると、売買契約そのものが白紙になる可能性もあります。

司法書士に依頼すれば、法務局への登記申請や必要書類の確認・作成まで一括してサポートを受けられるため、正確でスムーズに手続きが進められます。

【ステップ3】不動産売却の準備を始める

相続登記が完了して初めて、その不動産は「あなた自身の名義」となり、売却のスタートラインに立つことができます。ここからようやく、不動産会社に査定を依頼したり、売却活動を始めたりする段階に移るのです。

売却の際には、土地や建物の現況調査や、周辺の相場の確認、境界確定の有無、建物の建築時期や未登記部分の有無など、事前に確認しておくべき項目が多数あります。特に築年数が古い空き家の場合、建物が未登記だったり、増改築部分が登記されていなかったりすることもあり、これらも司法書士が事前に確認し、必要に応じて補正手続きを行うことが可能です。

また、不動産を売却した後には譲渡所得税がかかる場合があります。一定の条件を満たすことで**空き家の特例(3,000万円控除)**が適用されることもありますが、これらの税務面についても、売却前に準備しておく必要があります。

宅地建物取引士の資格を持つ司法書士であれば、登記だけでなく売買契約書の内容チェックや、税務上の留意点なども踏まえて、総合的なアドバイスを提供することができます。

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