名古屋で外国籍の方の不動産個人間売買|司法書士が手続と税金を解説
ごとう司法書士事務所
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外国籍の方の個人間売買は、資格・書類・税金の三つの壁を知れば安心です。
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「外国籍でも、日本の不動産は自由に売買できますか」― 原則は自由。けれどルールは、いま静かに変わり始めています

日本では国籍を問わず不動産を所有できます。ただし2026年は「最新の動き」に注意が必要な年です。

まず大前提からお話しします。日本の法律では、外国籍の方が土地や建物を買うこと・売ること・所有することに、原則として制限はありません。在留資格の種類も問われませんし、永住者でなくても、極端にいえば海外に住んだままでも、日本の不動産の所有者になれます。戦前には「外国人土地法」という制限の枠組みもありましたが、実際に発動されることのないまま今日に至っており、実務上、売買そのものを止める法律はほぼ存在しない、というのが現状です。

ただし、例外と「変化の兆し」があります。例外の代表は農地です。農地を買うには国籍にかかわらず農地法の許可が必要で、耕作の実態などが厳しく審査されるため、個人間で「畑つきの家」を売買するときは注意が必要です。また、自衛隊基地や国境離島の周辺など安全保障上重要なエリアでは、「重要土地等調査法」により土地の利用状況が調査され、特に重要な区域では一定面積以上の売買に事前の届出が求められます。名古屋市内の一般的な住宅地で問題になることはまれですが、物件の所在地によっては確認しておきたいポイントです。

そして2026年のいま、押さえておきたいのが政府の動きです。外国人による土地取得のルールを見直す検討会が始まり、不動産登記の際に国籍などの申告を求める仕組みや、所有実態のデータベース化、規制の「骨格」を2026年夏にとりまとめる方針が報じられています。現時点ではあくまで「検討段階」であり、具体的な制度はまだ確定していません(本記事は2026年6月時点の情報です)。ただ、「いまは自由に買えるが、手続やルールはこれから変わりうる」という流れは、売買の時期を考えるうえで知っておいて損のない情報です。売買を予定されている方は、契約の前に最新の制度を確認することをおすすめします。

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「印鑑証明書がない。住民票は?」― 日本人と少しだけ違う、登記の書類と手続き

鍵になるのは「本人確認」の書類です。2024年からは氏名のローマ字併記という新しいルールも始まりました。

個人間売買でいちばん戸惑われるのが、登記に必要な書類です。日本人同士の売買なら、売主は印鑑証明書、買主は住民票――と定番が決まっていますが、外国籍の方の場合は「その方がいまどこに住んでいるか」で必要書類が変わります。

日本に住民登録をしている中長期在留者の方であれば、実は日本人とほとんど同じです。市区町村で印鑑登録をすれば印鑑証明書が取れますし、住民票も発行されます。ふだん印鑑を使う習慣がなく印鑑登録をしていない方は、売買の前に登録を済ませておくとスムーズです。一方、すでに帰国した方や海外在住の方が売主になる場合は、印鑑証明書の代わりに「署名証明(サイン証明)」を本国の官憲や公証人、あるいは日本にある自国の大使館・領事館で取得していただくことになります。どの国のどの機関の証明が使えるかは国によって異なり、ここは渉外登記の専門知識が問われるところです。

もうひとつ、知っておいていただきたいのが2024年4月から始まった新しいルールです。外国籍の方が不動産の所有者として登記される際には、漢字やカタカナの氏名に加えてローマ字氏名が併記されることになりました。証明資料として、住民登録のある方はローマ字氏名が記載された住民票など、そうでない方はパスポートの写しなどが必要になります。また、日本国内に住所のない方が所有者になる場合には「国内連絡先」を登記することも求められるようになりました。なお、ふだん通称名で生活されている方も、登記は原則として本名(パスポートや住民票どおりの氏名)で行う取り扱いです。

そして個人間売買で何より大切なのが、契約内容を双方が本当に理解しているか、という点です。売買契約書も登記の委任状も日本語で作成するのが通常ですから、日本語の読み書きに不安がある場合、「サインはしたが内容はよくわかっていなかった」というすれ違いが後の紛争の火種になります。私どもの事務所では、ご本人の意思確認を丁寧に行い、必要に応じてやさしい日本語で内容をかみくだいてご説明したうえで決済に臨んでいただいています。仲介会社のいない個人間売買だからこそ、この「意思確認」の部分は専門家に任せていただきたいところです。

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「税金はどうなりますか」― 基本は日本人と同じ。ただし"帰国"がからむと話が変わります

税金の仕組みそのものは日本人と共通です。気をつけたいのは、売主が日本を離れるケースです。

まず安心していただきたいのは、日本に住んでいる外国籍の方であれば、不動産の売買にかかる税金は基本的に日本人と同じだということです。買う側には不動産取得税や登記の際の登録免許税が、売る側には売却益が出た場合の譲渡所得税の問題がある――この枠組みに、国籍による違いはありません。

そのうえで、外国籍の方ならではの注意点をひとつだけ挙げるとすれば、それは「売主が日本を離れる(離れている)場合」です。税金の世界では、国籍ではなく日本に住んでいるかどうかで「居住者」「非居住者」が区別され、非居住者が売主になる取引では、買主の側に代金の一部を税務署へ納める「源泉徴収」という義務が生じることがあります。納税の手続を負うのが売主ではなく買主だという点が独特で、仲介会社の入らない個人間売買では見落とされやすいところです。「売主がもうすぐ本国へ帰る」という話が出ている取引では、契約や決済の前に、この点を必ず確認しておきたいものです。

また、これは日本人同士でも同じですが、親しい間柄ゆえに相場より大幅に安い価格で売買すると、差額が贈与とみなされて買主に贈与税がかかるおそれがあります。税金は要件や金額が個別の事情によって大きく変わる分野ですので、この記事では概要にとどめます。具体的な税額や手続の要否は、必ず税理士や税務署にご確認ください(本記事は2026年6月時点の情報です)。

外国籍の方の個人間売買は、「買えるか」の答えはシンプルでも、書類・本人確認・税金という各論になるほど専門性が増していきます。名古屋で渉外登記と不動産の両方を扱う司法書士・宅地建物取引士として、お一人おひとりの国籍や在留状況に合わせたお手伝いをしていますので、どうぞお気軽にご相談ください。

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