不動産の売買というと、多くの方が真っ先に思い浮かべるのは「不動産会社を通じて行うもの」ではないでしょうか。確かに、仲介会社を介した売買が一般的であり、安全性や利便性の面からも多くの方に選ばれています。しかし、実際の現場では、親族同士、友人知人間、あるいは会社関係者など、信頼関係に基づいて不動産の売買を直接行う、いわゆる「個人間売買」が一定数存在します。
個人間売買には、仲介手数料が不要になる、柔軟な交渉が可能になる、スムーズな意思決定ができるなど、いくつかのメリットがあります。その一方で、不動産会社の関与がない分、物件の調査や契約内容の確認、登記や税務の手続きにおいて、思わぬリスクが潜んでいることも事実です。特に、不動産取引に関する知識や経験が乏しいまま契約を進めてしまうと、後々のトラブルや金銭的損失に発展する恐れもあります。
たとえば、「親族だから大丈夫」「信頼している人だから問題ない」といった安心感が油断につながり、必要な手続きや確認を怠ってしまうケースもあります。実際、登記手続きが正しく行われていなかったり、税務上の問題が生じたりすることで、関係性にヒビが入ってしまうことも少なくありません。そうしたトラブルは、せっかくの信頼関係を壊すことにもなりかねないのです。
本記事では、個人間の不動産売買に関して、司法書士として実際に扱った事例やよくあるトラブルをもとに、具体的なケーススタディとして紹介しながら、注意すべきポイントや対策について丁寧に解説していきます。不動産売買を検討されている方、また親族間での名義変更や資