ある日、突然「親が所有していた投資用マンションを相続することになった」と知らされたら、あなたはどう感じるでしょうか。
「家賃収入が入ってくるならラッキー」「マンションを持っているなんてちょっと誇らしい」と、プラスのイメージを持たれる方も少なくありません。相続というと、悲しみの中にもどこか“財産を受け継ぐ”という前向きな印象を持つ方も多いでしょう。
とくに投資用マンションの場合、「働かなくても家賃が入る」「売れば現金化できる」など、“資産”としての価値を直感的に想像しやすいため、喜ばれるケースも見受けられます。
しかし、実際に投資用マンションを相続した方々の声を聞いてみると、その裏にはさまざまな“想定外”の問題が潜んでいることが分かります。
たとえば、長期間空室になっていた、家賃収入が思ったより少なかった、管理費や修繕費の負担が重くて赤字になった、古すぎて売ろうにも買い手がつかない――など、「相続したけれど困ってしまった」というご相談は、年々増加しています。
また、相続後すぐに名義変更(相続登記)を行わなければ売却もできませんし、税金の支払いや各種届出も必要になります。不動産の知識がないまま、突然オーナーとしての責任を負うことになり、どう対処すればいいか分からないまま時間だけが過ぎてしまう、ということもよくあるのです。
特に高齢の親御さんが保有していた投資用マンションは、築年数が経過していることが多く、エレベーターのない物件や耐震基準を満たしていないケースもあります。こうした古い物件は、たとえ都心にあっても、すぐには売れなかったり、予想以上に管理が難しかったりと、思いがけない“負の遺産”となることもあるのです。
もちろん、すべての投資用マンションが問題を抱えているわけではありません。適切に管理され、安定した収益をもたらしてくれる優良な物件も存在します。ただ、一般の方がその“良し悪し”を相続直後に見極めるのは、非常に難しいというのが現実です。
このように、相続した投資用マンションには、見た目では分からない「不都合な真実」が多く隠れています。本記事では、司法書士かつ宅地建物取引士としての専門的な視点から、相続によって取得した投資用マンションに潜むリスクや注意点を分かりやすくご紹介し、適切な対処法についても解説してまいります。
大切な資産を“価値あるもの”として引き継ぐためにも、相続をきっかけに「知っておくべき現実」に目を向けてみてください。