親から投資用マンションを相続した方へ
投資用物件に慣れていない方が最初に読んでいただきたいこと
ごとう司法書士事務所
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投資用マンションの3つの現実をご紹介します。
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1

家賃収入=安定収入ではない、という現実

投資用マンションを相続した際、多くの方が最初に期待するのが「家賃収入」です。働かずとも毎月決まったお金が入ってくるというのは、一見すると非常に魅力的な話です。現代では、年金や預貯金だけでは将来の生活に不安を感じている方も多いため、「不労所得」としての家賃収入に希望を見出す方も少なくありません。

しかし実際のところ、家賃収入というのは決して「安定した収入源」ではありません。現場では、家賃収入を得ることができずに困っている相続人の方が、数多くいらっしゃいます。

まず知っておいていただきたいのは、賃貸経営には“空室リスク”が常に付きまとうということです。いくらマンションを持っていても、入居者がいなければ1円も収入は入ってきません。特に築年数が経過している物件、駅から遠い、周辺環境が整っていないといった条件があると、入居者が見つからず、何ヶ月、あるいは何年も空室のままになることがあります。これは東京や大阪などの都市部でも起こりうることで、地方であればその可能性はさらに高まります。

さらに、運よく入居者がついたとしても、家賃がずっと同じ水準で維持されるとは限りません。 建物の老朽化や周辺地域の人口減少、競合物件の増加などの影響で、次の入居者を募集する際には家賃を下げざるを得ないケースも多いのです。また、長年住んでくれていた入居者が退去してしまったときに、原状回復工事や内装リフォームに多額の費用がかかることもあります。その結果、たとえ一時的に家賃収入があったとしても、手元に残るお金は思っていたよりも少ないという現実に直面することになるのです。

加えて、家賃滞納や入居者トラブルといった問題もあります。入居者が突然家賃を支払わなくなった場合、オーナーであるあなた自身が督促や対応をしなければなりません。賃貸管理会社を入れていても、対応には時間がかかりますし、訴訟にまで発展することもあります。また、近隣住民との騒音トラブルやゴミの問題など、物件オーナーとしての責任を問われる場面も出てきます。

さらに言えば、投資用マンションを1室だけ相続した場合、その規模では管理会社にとってもあまり利益がないため、管理が後回しにされてしまうこともあります。自主管理に切り替えるとなれば、家賃の回収や入居者対応、修繕の手配などをすべて自分で行う必要があり、精神的・時間的な負担が大きくなります。

こうしたリスクや手間は、実際にオーナーになって初めて分かることが多いため、「想像していた家賃収入とは全然違う」と落胆される方も多いのです。

つまり、家賃収入とは、ただ何もせずに安定して入ってくる“夢の収入”ではなく、継続的な管理と適切な対応を必要とする、いわば“経営的な側面”を持つものなのです。これは、相続によって突然オーナーになった方にとっては、大きなプレッシャーとなり得ます。

このように、相続によって得られる家賃収入には期待と現実のギャップがあり、楽観的なイメージだけで判断すると、思わぬトラブルに巻き込まれてしまう恐れがあります。大切なのは、冷静に「収入と支出」「リスクと労力」のバランスを見極めることです。そのためにも、相続後は早めに専門家に相談し、物件の現状を正しく把握することが重要となります。

Point
2

固定費と管理費、意外と重いランニングコスト

投資用マンションを相続された方の中には、「家賃収入が入るなら、それで維持費もまかなえるだろう」と考える方が多いようです。たしかに、一定の賃料が継続的に入ってくれば、毎月の支出にあまり不安を感じないかもしれません。

しかし実際には、投資用マンションには、所有しているだけで定期的に支払わなければならない“固定的な支出”が複数あります。 これは“ランニングコスト”とも呼ばれ、たとえ空室で家賃収入がゼロになっても、避けては通れない費用です。しかも、このコストが思いのほか高額になっているケースが少なくありません。

毎月かかる管理費・修繕積立金

まず代表的なのが、「管理費」と「修繕積立金」です。これは、マンションという集合住宅を維持管理していくために、各区分所有者が負担する費用であり、住戸ごとに決まった金額が毎月請求されます。
管理費は、共用部分の清掃や設備点検、管理人の人件費、共用電気代などに使われます。修繕積立金は、大規模修繕やエレベーター更新、防水工事などの将来の工事費用として積み立てていくものです。

これらの費用は築年数とともに増加する傾向にあります。築10年、20年と経過するごとに、修繕積立金の額が段階的に引き上げられることも多く、最初は月1万円だったのに、気づけば2万円を超えていたということも珍しくありません。

また、管理組合が十分に機能していないマンションでは、修繕が計画的に行われず、結果的に物件の価値が下がってしまう可能性もあります。修繕積立金が不足していると、一時金として多額の費用を請求されることもあるため注意が必要です。

年に一度の固定資産税・都市計画税

次に忘れてはならないのが、「固定資産税」と「都市計画税」です。これは毎年1月1日時点で不動産を所有している人に課される地方税で、どんなに使っていない不動産でも、所有しているだけで納税義務が発生します。

特に都心部や駅近物件などは評価額が高くなりやすく、それに比例して税金も高額になります。
築古の物件だからといって油断はできません。土地の評価額が高い場合、建物の価値が下がっていても、税額はなかなか下がらないということもあります。

また、相続税を支払った直後に固定資産税の通知が届き、「こんなに早く次の支払いが来るのか…」と驚かれる方も多くいらっしゃいます。賃料収入の入金時期と納税のタイミングがずれることもあり、資金繰りに苦慮される方も少なくありません。

見落としがちな賃貸管理会社への委託費用

さらに、賃貸経営を管理会社に任せている場合、家賃の数%〜10%程度の管理手数料が発生します。入居者の募集、契約、家賃回収、クレーム対応、退去時の手続きなどを代行してもらえる点では安心ですが、その分費用が発生します。

たとえば、家賃8万円の物件で管理手数料が5%なら、月4,000円の手数料がかかります。1年で考えると48,000円、さらに更新手数料や契約事務手数料なども別途かかることがあります。
空室期間中も一定の業務をしているとして、最低手数料がかかる管理会社もあるため、空室でもコストがゼロになるとは限りません。

また、管理内容が不十分で入居者とのトラブルが発生した場合でも、対応はすべてお任せとは限らず、最終的な判断や費用負担はオーナーが行わなければならないこともあります。

所有しているだけで出費が続くという現実

このように、投資用マンションは「収入を生む資産」であると同時に、「常にお金のかかる不動産」でもあります。
家賃収入が安定していれば問題ないように思えますが、実際には空室や滞納などによって収入が減る一方で、これらのランニングコストは待ってはくれません。毎月、あるいは年に一度、必ず出ていく支出があることをしっかり認識しておくことが大切です。

「家賃が入らない月でも、管理費や税金の請求だけはしっかり届く」――これが、投資用マンション相続の現実なのです。
そして、これらの費用の総額が、思っていた以上に家計を圧迫することがあるため、相続後に慌てて売却を検討する方も少なくありません。

所有を続けるか、売却を検討するか。いずれにしても、こうした維持費用を冷静に見積もったうえで判断することが、将来の後悔を避ける鍵となります。

Point
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売却しようにもすぐには売れない現実

「家賃収入が期待できない」「維持費が重くて負担が大きい」——そんな理由から、投資用マンションを相続した直後に「売ってしまいたい」と考える方も多くいらっしゃいます。たしかに、不動産を手放すことで維持管理の手間やコストから解放され、現金化できれば相続税の納税や生活費にも充てることができます。

しかし実際には、「売却しよう」と決意したとしても、思ったように簡単には売れない現実がそこにはあります。特に投資用マンションの売却は、居住用の自宅とは異なる注意点やハードルが多く、専門知識が求められる場面も少なくありません。

収益性の低い物件は、買い手がつきにくい

投資用マンションを購入する人の多くは、「家賃収入がどの程度見込めるか」「物件の利回りがどれくらいか」を重視します。つまり、そのマンションが“儲かる物件かどうか”が判断基準になります。

そのため、すでに空室が続いている物件、家賃が安く収益が少ない物件、立地が悪く将来的な価値が下がりそうな物件などは、どうしても敬遠されてしまいがちです。
また、築年数が古くなればなるほど、修繕費の負担や設備の老朽化リスクが高まり、利回りが悪くなるため、市場では買い手が非常に限定的になります。

特に、バブル期や2000年代初頭に流行した「ワンルーム投資マンション」は、現在では価値が下落しているケースも多く、相続された方が売ろうとしたときには購入価格の半分以下、あるいはそれ以下でしか売れないということもあります。

また、区分所有マンションの中には、管理組合が機能していなかったり、住民の高齢化が進んでいたり、修繕積立金が枯渇していたりするような「管理不全マンション」も存在します。こうした物件は、表面上は立派に見えても、将来的なリスクが高いため売却は困難になります。

名義変更(相続登記)が済んでいないと、売却できない

投資用マンションを売却するには、まずその不動産の「所有者」であることが法律的に確認できる必要があります。
しかし、相続が発生した時点では、登記簿上の名義は亡くなられた被相続人のままになっているため、そのままでは売却の契約をすることも、買主に名義を移すこともできません。

つまり、売却を検討するなら、まずは相続登記(名義変更)を済ませておくことが絶対条件になります。
この手続きには、相続人全員の戸籍や住民票、遺産分割協議書、登記申請書など、必要な書類が多数あります。さらに、法務局に提出するための正確な書式や内容が求められ、不備があると手続きが進みません。

「売ってから名義変更をすればいい」と思っていたという声も多いですが、実際には相続登記をしない限り、売却そのものがスタートできないということは、しっかりと理解しておく必要があります。

また、2024年4月からは、相続登記が義務化され、相続を知った日から3年以内に登記をしないと過料(罰金)を科される可能性もありますので、早めの対応が求められます。

売却益にかかる税金や手続きの煩雑さも

たとえ投資用マンションが無事に売れたとしても、最後にもう一つ忘れてはいけないのが、譲渡所得税の問題です。

不動産を売却して利益が出た場合には、一定の計算式に基づいて「譲渡所得」が算出され、その金額に応じて税金が課されます。これには「取得費(当初の購入金額)」「譲渡費用(仲介手数料など)」を正確に計算する必要がありますが、相続の場合、元の取得費が不明であったり、古い資料が残っていなかったりするケースが多く、計算が非常に難しいという問題があります。

また、売却にあたっては、不動産会社との媒介契約、買主との契約書締結、司法書士による登記手続き、引渡しまでの調整など、さまざまな実務的な対応が必要になります。
相続人の方が高齢であったり、遠方に住んでいたりすると、これらの手続きに対応することが大きな負担となり、売却をあきらめてしまうこともあります。

所有を続けるか、売却か——判断には慎重な見極めが必要

このように、「売ってしまえば楽になる」と思っていた投資用マンションでも、いざ売却しようとすると多くの壁が立ちはだかります。
特に、物件の収益性や立地条件、管理状況によっては、**「売りたくても売れない」「希望額で売れない」「税金が想定より高かった」**といった事態に直面することが少なくありません。

したがって、相続された投資用マンションをどう扱うかを判断するには、「持ち続けるコスト」「売るための準備」「税金や手間の負担」など、さまざまな要素を総合的に見極める必要があります。
不動産・相続・登記・税務に関する幅広い知識が求められるため、早い段階で専門家の意見を聞くことが、後悔しない判断につながります。

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