「父が所有していた1棟アパートを相続したけれど、自分は不動産経営の経験がない」
「毎月家賃は入っているが、このまま持ち続けて本当に大丈夫なのか不安」
「相続登記をすれば終わりだと思っていたが、管理会社や入居者対応まで必要になった」
「兄弟で共有相続になりそうだが、将来的に揉めないか心配」
近年、名古屋市内でも、1棟アパートや賃貸マンションなどの収益物件を相続するケースが増えています。特に、昭和後期から平成初期にかけて取得された賃貸不動産は、現在ちょうど相続発生の時期と重なりやすく、多くのご家庭で「相続」と「不動産経営」の問題が同時に発生しています。
実際、親世代は長年の経験や地域とのつながりの中で物件を管理していたものの、相続人世代は会社勤めで不動産管理経験がなく、「どう判断すればよいかわからない」というご相談が非常に増えています。
また、収益物件は一般的な自宅不動産とは異なり、単なる“資産”ではなく、“収益事業”という側面を持っています。
そのため、相続後には、
相続登記
家賃管理
管理会社との契約確認
入居者対応
修繕計画
空室対策
借入金の確認
将来的な売却判断
相続税や固定資産税への対応
など、多くの実務的な問題に向き合う必要があります。
特に最近は、全国的な物価上昇や建築資材価格の高騰、人件費上昇の影響により、アパート・マンションの維持費が以前より大きく上がっています。外壁修繕、防水工事、給排水管工事などが数百万円単位になることも珍しくありません。
さらに、今後の日本では、人口減少や高齢化による賃貸需要の変化も無視できません。
名古屋市内でも、
中区
東区
千種区
名駅周辺
再開発エリア
などは比較的需要が安定している一方、
郊外エリア
築古木造アパート
駅から遠い物件
駐車場不足物件
などは、今後空室率が高まりやすい可能性があります。
現在は家賃収入があっても、10年後、20年後まで同じように収益を維持できるとは限りません。
また、収益物件を共有相続した結果、
「修繕する・しない」
「売却する・しない」
「誰が管理するのか」
といった意見対立が生じ、結果として長期間放置されてしまうケースもあります。
特に不動産は、現金のように簡単に分けられないため、相続時点での整理が非常に重要です。
2024年からは相続登記も義務化され、不動産を放置するリスクは以前より大きくなっています。さらに、将来的に次の相続が発生すると、権利関係が複雑化し、売却や管理が困難になることもあります。
そのため、収益物件を相続した場合には、
「とりあえず様子を見る」
ではなく、
この物件は今後も収益性を維持できるのか
修繕費負担に耐えられるか
相続人が管理可能か
将来的に売却しやすい物件か
次世代へ承継する価値があるか
まで含めて、早い段階で整理することが大切です。
この記事では、名古屋で1棟アパートや賃貸マンションなどの収益物件を相続した方に向けて、相続登記だけでは見落としやすい注意点や、今後の不動産市場も踏まえた判断ポイントについて、司法書士兼宅地建物取引士の立場から、できるだけわかりやすく解説します。